私のことを気にかけてくれた先生がいた
先生は私を呼び出して、「親とは解決したか」ときく
「解決してない、なぜそんなことを先生に喋ったのかとキレられただけだった」なんて言ったら、またその話が親に行くのはわかっていた
先生にできることは、親に「お子さん困ってるみたいですよ」と言うことくらいしかないということも、もうわかっていた
困ったら大人に相談しなさいと言われてはいたけど、実際どこに助けを求めても、”保護“者じゃない人は何もしてくれないんだ、助ける権利もないんだと学習した
だから、今度は「解決した」とそっけなく答える
さも本心じゃないかのように答えたのは、心のどっかでは気づいてほしかったからなんだと思う
だけど先生は、その答えをきいて、うんうんとうなずきながら満足そうに微笑んだ
大人というのはおめでたい生き物だなと思った
親が子を愛する世界、愛する子供が困っていたら親が助けてあげる世界しか信じようとしないのだ
“自分がそうだから”まわりもそうだと、その法則で生きているのだな
きっとこの人はいい人なんだろうけれど
私は絶望した
なにを変える力も持たない子供だった頃の、真っ暗闇の記憶が今日も思い出される
本当に私の時計は進まないもんだなぁ